遠藤航のみシント・トロイデン残留。
難しい中で高まる鈴木優磨への期待

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 一方、鈴木はムスクロン戦の当日、シント・トロイデンとの契約を正式に交わしたばかり。コンディションが整っていないため、ベルギーリーグデビューはまだ先になりそうだ。

 日本人の新戦力ふたりについて、遠藤はこうコメントしてくれた。

「ダンくん(シュミット)は代表で一緒にやっているので(知っている)。キーパーとしての能力が高い。ケニー(ステッペ)は昨シーズンからずっと試合に出ているので絶対的な選手だと思いますが、それに割って入ることもできると思います。いい意味で、ふたりが競争していけばいいのかなと。チャンスがあれば、ダンくんのよさを出していけるのかなと思います。

(鈴木)優磨は一緒にやるのは初めてですが、(Jリーグで)対戦したことはあるので、彼のよさとか強さとか、ゴールに向かっていく姿勢は僕もわかっているつもり。少しずつ一緒にやっていって、アダプトしていければいいかなと思います」

 センターバックの育成は日本サッカー界の課題だったが、この1年半で冨安が日本代表の中心選手に育った。今度はゴールキーパーというポジションに、シント・トロイデンはフォーカスしたのではないだろうか。

 また、今年J1で出場機会がなかった鈴木に対しては、ファンやメディアから即戦力として大きな期待がかかっている。

 今から1年前、シント・トロイデンは得点力不足に悩まされ、ストライカーを補強しても成果が出ていなかった。そんな時、夏の移籍市場の最終日に鎌田がシント・トロイデンにやってきて、ゴールを量産して得点力不足を解消してくれた。

 一方、ヨアン・ボリはシーズン後半に入ってから覚醒し、今年だけで8ゴール(シーズン12ゴール)をマーク。そのボリには、イングランドやドイツのクラブから獲得の引き合いが来ているという。ムスクロン戦では途中から出場したが、現地では移籍濃厚という声が多い。

 補強したばかりのブラジル人FWアラン・ソウザは、開幕戦では不発。戦術面でもベンチの指示を実行できず、前半でベンチに下がった。

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