補強禁止のチェルシーに漂う小粒感。ランパードの手腕で復活なるか (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 少なくとも、調整が遅れているエンゴロ・カンテ、コパ・アメリカのために合流が遅れているウィリアン、故障中のアントニオ・リュディガーといった主力が加わったとしても、真のワールドクラスであるエデン・アザールをレアル・マドリードに手渡し、経験豊富なゴンサロ・イグアインもユベントスに復帰した現チームには、大事な場面で違いを生み出せるビッグネームが不在となってしまったことは間違いない。

 そこでカギとなるのは、やはりランパード監督の手腕になるだろう。もちろん、ランパードの監督キャリアはまだチャンピオンシップ(2部)のダービー・カウンティで采配を振るった昨シーズンのみゆえ、この15年間に指揮を執った名将たちとは比較する材料さえないというのが現状だ。

 それを考えれば多くを期待するのは酷かもしれないが、監督としての潜在能力は未知数だけに、新生チェルシーがどのようなサッカーを見せるのかという部分については、楽しみな要素が多いのも確かである。

 アブラモヴィッチがクラブを買収して以来、暫定監督を除いて初となるイングランド人監督は、7月23日に埼玉スタジアムで行なわれるバルセロナ戦で、どのような采配を見せるのか。

 たとえプレシーズンマッチとはいえ、チャンピオンズリーグで対戦する可能性もある相手との試合では、来日直後の川崎戦とは違ったベンチワークが求められる。

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