久保建英と安部裕葵の主戦場。スペイン「2部B」のレベルは? (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Namashima Daisuke

 久保や安部はセカンドチームの一員になるわけだが、カスティージャやバルサBは実質的にはU-20に近いチームで、大人を相手にすることになる。ベテラン選手たちは若造を相手に目の色を変え、止めに来るだろう。日本人で目立つだけに、タックルの的にもなりやすい。ふたりはコンビネーションを使いながら、それをはねのけ、ゴールに迫ることができるか。1対1の球際や守備の部分での戦闘力も試されるはずだ。

 もちろん、早い段階での昇格の可能性はある。昨シーズン、ブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールはカスティージャで5試合4得点。ダイナミックなドリブルとパスで格の違いを見せつけ、トップチームに定着することになった。

「セグンダB」とレアル・マドリードやバルサのトップではレベルが違いすぎるため、簡単に昇格できないのは確かだが、結果を出せば確実に道は広がる。昨シーズン、カスティージャでリーグ得点王になったFWクリスト・ゴンサレスは、トップデビューを果たし、得点も記録した。そして今シーズンは、買い戻しオプション付きでセリエAのウディネーゼへの移籍が決まったのだ。

 さらに、監督によっては特例を講じることもある。

 かつてバルサを率いたジョゼップ・グアルディオラは、ほとんどバルサBを経験していない(出場は1試合)セルヒオ・ブスケッツのトップ起用に踏み切っている。自分たちが圧倒的にボールを回すスタイルにおいて、ボールプレーヤーの力を出し切れるブスケッツを、下部リーグでの肉弾戦で浪費させなかったのだ。選手のキャラクターやチーム状況によっては、必ずしも「セグンダB」が適当な舞台とは言えない。

 ともあれ、カスティージャもバルサBも、2部昇格が今季の目標になる。

 カスティージャは昨シーズン、「セグンダB」のグループ1で4位となり、プレーオフに回ったが、惜しくも敗れている。1位と2位だったチームは昇格しただけに、今シーズンの当面のライバルは3位のアトレティコ・マドリードB。"レジェンド"ラウル・ゴンサレスはどのような采配を振るうのか。

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