メッシ、審判、VAR...ブラジル人記者が選ぶコパ・アメリカのワースト10 (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 試合の行方にかかわる重大なミスも少なくなかった。準決勝のブラジル対アルゼンチン戦で、アルゼンチンに2本のPKを与えなかったことはメッシを怒り狂わせた。また決勝での2つのPKは、VARで確認したにもかかわらず、結局ジャッジを変えなかった。いくらVARを導入しても、最終的に判断する審判のレベルが低ければ意味はない。

 スペインの新聞『マルカ』は、「コパ・アメリカのチャンピオンはブラジル、歴史に残る敗者は審判」と報じた。

アルゼンチン

 アルゼンチンはメッシなしでは成り立たないが、メッシがいても苦しむ。経験の浅いリオネル・スカローニ監督はチームを掌握することができず、選手たちはピッチで苛立ちを見せた。最終的には3位になったが、グループリーグで敗退していても不思議ではなかった。

オタメンディ

 ブラジルでも母国アルゼンチンでも、なぜニコラス・オタメンディがマンチェスター・シティの選手でいられるのか、疑問に思う者が多かった。アルゼンチン最大がっかりで、コパ・アメリカ中最低の選手のひとりだった。誰もが彼に、もっとすばらしいパフォーマンスを期待していたに......。

メッシ

 メッシは持てる力の40%ぐらいしか出すことができず、チームとともに苦しんだ。そして平常心をなくし、大会そのもののあり方を批判した。「この大会はブラジルが有利になるように仕立ててあって、ブラジルが優勝するようにお膳立てされていた」「審判のせいでアルゼンチンは負けた。ヤツは恥知らずで、買収されていた」......。そして、南米サッカー連盟は堕落していると食ってかかった。

 ブラジルの監督チッチは、そんなメッシを「他人へのリスペクトを持ち、負けることも知らなければいけない」と、強い口調で非難した。

チアゴ・シウバ

 チアゴ・シウバはアルゼンチン戦を前に、「メッシは史上最高のサッカー選手だ。彼はピッチの中でも外でも我々の手本であり、常にリスペクトしなければならない」と言っていた。しかし、ブラジルが優勝すると「メッシは相手をリスペクトしない。彼のような選手は、負けた時の態度も手本であるべきなのに、終わってから見苦しく騒ぐとはどういうことだ」と言い出した。いったいどっちが彼の本音なのか。あまりの変わりように、すっかり信用を失った。

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