ど派手補強のレアル。ロナウドの穴を埋めると同時に怒涛の放出ラッシュ (2ページ目)

  • 江間慎一郎●文 text by Ema Shinichiro
  • ムツ・カワモリ●撮影 photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 そしてシーズン終了後の6月に入って行なわれたのは、怒涛の入団セレモニーである。まず12日に昨季ブレイクを果たした新星ストライカーのルカ・ヨヴィッチ(フランクフルトから獲得)、13日に押しも押されもせぬ世界的スターであるエデン・アザール(チェルシー)、18日にブラジルの次世代の至宝ロドリゴ(サントス)、19日には、衰えが指摘されるマルセロとのレギュラー争いに臨むべく加わったフェルラン・メンディ(リヨン)......。

 会長のフロレンティーノ・ペレスは、まるで担任の先生のようにほとんど日を空けることなく登壇して、ピッカピカの転校生のひとりひとりに「君は世界で最も厳しい要求を課されるクラブに加入したのだ」という、おなじみのメッセージを口にしていった。とりわけアザールのセレモニーは、2014年に獲得したハメス・ロドリゲス以来の大々的なものとなり、じつに5万人ものファンがサンティアゴ・ベルナベウに集結している。

 レアル・マドリードの補強は以上の4選手と、ブラジル代表としてコパ・アメリカに参加していたエデル・ミリトン(ポルト)で大方終了している(久保建英はレアル・マドリードBチーム、カスティージャの補強であり、クラブ関係者はトップチームまで到達するにしても、あと1~2年は必要と見ている)。ヨヴィッチの移籍金が6000万ユーロ、アザールが1億ユーロ、ロドリゴが4500万ユーロ、ミリトンが5000万ユーロと、合計獲得費用はじつに2億9800万ユーロ。これはペレス会長が第2次政権をスタートさせ、ロナウド、カカ、ベンゼマらを獲得した2009年夏の2億5800万ユーロを上回り、一市場におけるクラブ史上最高額の出費だ。残る補強はMFのみとなっており、第1候補はジダン監督たっての希望であるマンチェスター・ユナイテッドのポール・ポグバ。ジダン監督の同胞のこのフランス人獲得が無理ならば、アヤックスのドニー・ファン・デ・ベークか、ナポリのファビアン・ルイスを獲得する方針を立てている。

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