コパ敗戦もメッシが代表続投宣言。「アルゼンチンの未来は明るい」 (2ページ目)

  • セルヒオ・レビンスキー●取材・文 text by Sergio Levinsky
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

 南米の両雄による熾烈な一戦は、序盤から一進一退の攻防が展開された。戦前の大方の予想では、開催国ブラジルが有利とされていたが、アルゼンチンも真っ向から勝負を挑み、惜しいシーンを創出。メッシと中盤の3人でボールを動かし、今大会で大きく名を挙げた21歳のマルティネスが果敢に勝負を挑む。アンカーを任された25歳のパレデスは要所を締めながら、強烈な惜しいミドルで可能性を感じさせた。

 しかし19分に、ダニエウ・アウベスの洒脱なパスが右のロベルト・フィルミーノに渡り、そこからのグラウンダーのクロスをガブリエル・ジェズスが決めて、ブラジルが先制。逆にその10分後には、メッシのFKにアグエロが頭で合わせたが、ボールはクロスバーを叩いた。その5分後にも、メッシからの縦パスを受けたアグエロがシュートを放ったものの、DFのブロックに遭っている。

 メッシは後半に入ると、自ら左足のボレーを打ったが、今度はポストに阻まれてしまった。またボックス付近からのFKは左のトップコーナーへ飛んだものの、GKアリソン・ベッカーにキャッチされた。そして71分にカウンターを受けて、ジェズスのお膳立てからフィルミーノに決められ、ブラジルに追加点を許してしまった。

「彼ら(ブラジル)が我々より優れていたわけではない」とメッシは敗戦後に言った。

「彼(審判)は相手寄りだった。微妙な場面では、必ずと言っていいほど、ブラジルに有利な判定が下された。何も言い訳をしているわけではない。この大会では数々のくだらないシーンのために、何度も笛が吹かれ、VARも採用されたというのに、今日の試合では必要な時にVARでチェックされることはなかった」

 この意見に賛同するかどうかはともかく、アルゼンチンは最終的にチームとしての体を成すことはできた。それでも、またしてもタイトルには手が届かず、これで無冠は26年目だ。スカローニ監督は試合後の会見で、「後任に誰がなろうとも、この選手たちはチームにすべてを捧げる。それだけは知っておいてほしい」と、あたかも自身の続投の線が消えたような発言をしている。そしてメッシと同じように、「我々はブラジルよりも優れていた。決勝へ行くべきチームはアルゼンチンだった」と話した。

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