コパ敗戦もメッシが代表続投宣言。「アルゼンチンの未来は明るい」

  • セルヒオ・レビンスキー●取材・文 text by Sergio Levinsky
  • 井川洋一●翻訳 translation by Igawa Yoichi

「これほどまでに良い試合をしながら負けてしまうなんて。本当に受け入れがたいよ」

 コパ・アメリカ2019の準決勝で宿敵ブラジルに0-2で敗れた後、アルゼンチンの主将リオネル・メッシはそう言った。たしかにこの一戦で彼らは、リオネル・スカローニ監督体制で最高のパフォーマンスを披露した。いや、ここ4、5年でもベストの出来だったと言ってもいいだろう。

「アルゼンチンには明るい未来があることが示された」とメッシ photo by Watanabe Koji「アルゼンチンには明るい未来があることが示された」とメッシ photo by Watanabe Koji 前回のコラムでも書いたように、スカローニ監督はいわば、消去法によって選ばれた指揮官だ。ホルヘ・サンパオリ前監督のアシスタントを務めていた彼は、他に代表監督を引き受けようとする有力者がいなかったため、暫定監督に昇格。その後、正式な監督に任命されたが、この大会は彼にとってテストのようなものだった。つまり、スカローニが今後もこの座にとどまれるかどうかは、ブラジルで開催されているコパ・アメリカ2019での内容と成績にかかっていたわけだ。

 結果は、なんとも判じかねるものとなった。コロンビアとの開幕戦はひどい内容の0-2だったが、そこから少しずつ改良を重ねていき、パラグアイと1-1のドロー、カタールには2-0の勝利。準々決勝のベネズエラ戦も2-0でモノにし、この日のブラジル戦を迎えた。つまり、チームは大会のなかで成長を遂げていたのだ。

 ブラジル戦では、今大会で初めて2試合連続で同じ先発を並べた。前線にラウタロ・マルティネスとセルヒオ・アグエロ、メッシ、中盤に左からマルコス・アクーニャ、レアンドロ・パレデス、ロドリゴ・デ・パウル、守備陣は左からニコラス・タグリアフィコ、ニコラス・オタメンディ、ヘルマン・ペッセーラ、フアン・フォイ、GKにフランコ・アルマーニを配置。メッシは頻繁に中盤に下りて、ゲームメイクに加わった。

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