2019.06.28

今季欧州CL総括。次のサイクルに入って覇権を握るクラブはどこか?

  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

中山 たしかに今シーズンもケガ人は多かったですよね。おっしゃるとおり、近年はスケジュールのみならずサッカーの中身もハードになってきているので、CL優勝を狙おうとするなら2チーム分の選手層が求められます。上位が資金力のあるクラブで占められるようになって久しいところですが、その背景には故障者が増加しつつあるという問題も見逃してはいけないのかもしれません。

 それと、スパーズのサイクルで言うと、スタジアムが新しくなったことで安定した収入を見込めるので、今後も常にCL出場圏内をキープし続けるチームになると思います。ただ、CLで安定して上位を狙えるレベルになれるかというと、まだそこまでの道のりは長いと感じます。次のフェーズに移るまでには、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。

 クリスティアン・エリクセンに移籍の噂がありますが、それはハリー・ケインやソン・フンミンといった主力たちも同じで、まだスパーズは引き抜くクラブというよりも引き抜かれるクラブという域にあるので、もっと上を目指すなら、クラブのブランド力を上げていくという地道な作業も必要でしょうね。

倉敷 ではそれ以外のチームに話を移しましょう。今シーズンは決勝トーナメントに入ってから大きなアップセットがいくつもありました。バルセロナ、レアル・マドリー、ユベントス、パリ・サンジェルマン、バイエルン......。いずれも優勝候補に挙がっていた強豪です。敗退理由はさまざまですが、チームのサイクルという点ではどのような状況におかれているのか? 小澤さん、バルサについてはどう見ていますか?

小澤 今季のバルサは、安定感はあったと思いますが、メッシ頼みの傾向がより強くなった印象です。リバプールとの準決勝第2戦については説明が難しいところですけど、チームのサイクル的には、ここ数年のツケを払わざるを得ないような状況だったと思います。とくにネイマールが去って以降、アタッカーの補強が成功してない。ウスマン・デンベレ、コウチーニョは1億ユーロ超えの移籍金に見合ったパフォーマンスを見せていませんし、あれだけのお金を使っているわりには、その効果が出ていないというのが実情だと思います。

倉敷 フロントがすべきことは何ですか?

小澤 やはり適正な金額で適正な選手を連れてくるということだと思います。

倉敷 獲得すべきはスアレスのポジションなのか、それともメッシの近くでプレーする選手なのか。ネイマールのような選手がいれば、負けているゲームでもグイグイ行って、戦況を変え、アップセットを免れた可能性もあったと思いますが。

小澤 そうですね。以前、パリに対して大逆転勝利を収めたときは、ネイマールがチームを引っ張っていました。メッシがマークされるからこそ、「メッシに代わって俺がやる」というタイプの選手が必要とされていると思います。でも、クラブ史上最高額の移籍金を投じて獲得したコウチーニョはメッシに遠慮をしたプレーを続け、なかなか輝かないという現状があります。それを考えると、彼を超えられるような選手を補強しないといけません。それがアントワーヌ・グリーズマンなのか、ここに来てネイマール復帰の噂も出てきましたが、いずれにせよコウチーニョが放出され代わりにビッグネームを獲ってくるのは間違いないでしょう。