コパ・アメリカ中間総括と優勝予想。ブラジルの救世主は小さな玉ねぎだ (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳translation by Tonegawa Akiko

 エディンソン・カバーニとルイス・スアレスのような贅沢な二枚看板をトップに持つチームは他にはない。パワー、テクニック、経験、すべてを併せ持ち、まさに世界のスーパープレーヤーの名に恥じない。守備の要は来季からインテルに加入するディエゴ・ゴディン。強靭で闘志あふれるDFだ。そして彼らを指揮するのが、監督歴の長いオスカル・タバレス。代表を率いてすでに13年になる。

 3試合すべてで見事なゴール、無駄のない動きを見せたウルグアイは、現在優勝に最も近いところにいるかもしれない。彼らを倒すのは至難の業だろう。この絶好調のウルグアイに、あと少しで勝利しそうになったからこそ、日本の評判も急上昇したのだ。スアレス、カバーニ、ゴディンに、日本は好きなように仕事をさせなかった。

 もうひとつの最高のチームはコロンビアだ。彼らはグループステージで唯一、全勝を果たした。同じベストチームでも、ウルグアイとはタイプが違い、軽快で陽気でテクニカル、美しいゴールが身上だ。別な意味でとても南米らしい。

 主力のハメス・ロドリゲスは、来シーズンに向けて自分をより高く売るためにも、この大会での活躍を望んでいる。彼らはそれほど苦労もせずにアルゼンチンに2-0で勝利した。活躍したのはハメス・ロドリゲスだけではない。ラダメル・ファルカオ、そしてルイス・ムリエル。今年、セビージャからフィオレンティーナにレンタル移籍して活躍したムリエルは、スピードがあり、頭の回転がよく、来季はアタランタに移籍し、チーム史上初のチャンピオンズリーグに臨むことが決まっている。

 チームを率いるのはコロンビア代表初のヨーロッパ人監督、ポルトガルのカルロス・ケイロスだ。かつてルイス・フィーゴをポルトガル代表に招集してワールドユースで優勝させ、マンチェスター・ユナイテッドではアレックス・ファーガソンの、レアル・マドリードではジョゼ・モウリーニョの右腕を務めた。イラン代表を2度もW杯出場に導いた手腕を持つ。彼がコロンビアをどう導くか、非常に興味深い。

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