久保建英の強力なライバルはこいつらだ。
欧州で東京五輪出場国が決定

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 現在、イタリアで開催されているU-21ヨーロッパ選手権で、準決勝進出の4カ国が出そろった。

 ベスト4へ進んだのは、スペイン、ドイツ、フランス、そしてルーマニア。と同時に、この4カ国はヨーロッパの代表として、来年の東京五輪に出場することも決定した。

 4カ国のなかで最初に"東京行き"を決めたのは、グループAを首位通過したスペインだ。

 グループAは最終的に、スペイン、イタリア、ポーランドが2勝1敗の勝ち点6で並ぶ大接戦。勝負は得失点差に持ち込まれた。

 最終戦でポーランドと対戦したスペインは、圧倒的な攻撃でポーランドにほとんど何もさせず、5-0の圧勝。とくに中盤を制圧したMFダニ・セバージョス、ファビアン・ルイスは鬼気迫るプレーで、大量得点での勝利が必須のチームを引っ張った。

 チームを率いるルイス・デラフエンテ監督も「衝撃的な試合。歴史的な瞬間だった」と語るほどの完璧な勝利で、わずか得失点差1の差でイタリアを振り切った。

 続いて、東京行きのキップを手にしたのは、グループBを首位で突破したドイツである。

 2連勝でグループリーグ最終戦を迎えたドイツは、引き分けでも準決勝進出。しかも、開始14分にして、MFルカ・ヴァルトシュミットが強烈なミドルシュートを叩き込んで先制し、状況はかなり楽になった。

 その後、オーストリアにPKで同点には追いつかれたものの、目論見どおりに1-1で引き分け。2年前の前回大会を制しているディフェンディングチャンピオンが東京五輪出場を決めた。

 そして、最後はグループC。そろって2連勝で直接対決を迎えたルーマニア対フランスのグループリーグ最終戦は、想定内の0-0で勝ち点1ずつを分け合った。得失点差で上回るルーマニアとともに、各組2位の中の成績最上位となったフランスも準決勝進出を果たした。

 ルーマニアが、フランス、イングランドを出し抜いてベスト4入りしたことは、今大会最大のサプライズと言ってもいいだろう。もし、この試合でルーマニアが勝利していれば、グループA2位の地元イタリアが準決勝へ進めただけに、ルーマニアのミレル・ラドイ監督は「イタリアには申し訳ないが」とつけ加えたうえで、「我々にとって引き分けは十分な結果だった」と、満足そうに語った。

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