欧州サッカー番長3名が「CL覇者リバプールの進化」を分析した (6ページ目)

  • photo by Nakashima Daisuke

中山 そうですね。とくにエリクセンを置く場所に悩んでいた印象も受けましたし、逆に、エリクセンのポジションによってポチェッティーノの狙いも見えるという面もありました。今回のCL決勝でも、後半開始から2列目の配置を変えていました。

 それと、個人的にはデレ・アリの成長が止まってしまった印象があって、それを決勝戦でもあらためて感じました。彼が頭角を現した10代の頃からすると、もっと成長していないといけない選手なのに、現在は普通のよい選手に収まってしまっています。

倉敷 壁にぶつかっているのかも知れませんね。小澤さんはスパーズの戦術に関してはいかがでしょうか?

小澤 僕も、戦術的に新しいことはとくにないと思います。現地でシティとの準々決勝2試合を観戦しましたが、ポチェッティーノの振る舞いも含めて、悪い意味でカオスに陥っていかないような落ち着きのあるサッカーだと感じます。スタンダードで平凡に見えますけど、カウンターの応酬になって打ち合うのではなく、いつも自然体でオーソドックスなプレーができているところが、このチームの強みになっているのではないでしょうか。

 前線にボールを運んだときにソン・フンミンやルーカス・モウラなど、試合によって違いを生み出せる選手が活躍したというところも、武器になっていたと思います。それと、僕もデレ・アリはもっと伸びないといけないと思います。他にも、イングランド代表では20代前半で成長が止まってしまう選手がいますしね。余計なお世話かもしれませんが、マーカス・ラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)も心配です(笑)。

倉敷 非凡な選手ですからね。デレ・アリの来シーズンに期待しましょう。

 では、次回は両チームのサイクルにスポットを当てながら、他の強豪クラブの現状を見ながら今シーズンのCLを総括してみたいと思います。

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