実績は久保建英より上。東京五輪にやって来る欧州の若きスターとは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 また、U-23と言えば、手つかずの原石というよりも、すでに磨かれ、光を放ち始めた選手が多くなる年代である。実際、スペインではMFシャビやMFフアン・マタ、イタリアではMFアンドレア・ピルロ、ドイツではGKマヌエル・ノイアー、DFマッツ・フンメルスなどが、この大会でチャンピオンとなり、のちにA代表でもワールドカップやユーロでの優勝を経験している。

 もちろん、今大会にもスター候補が名を連ねている。

 たとえば、スペインで背番号10を背負うMFダニ・セバージョス。レアル・マドリードの新鋭は、すでに2年前の前回大会にも出場し、チームは準優勝ながら大会MVPに選ばれている。

スペインの「10番」を背負うMFダニ・セバージョススペインの「10番」を背負うMFダニ・セバージョス スペインは今大会初戦でイタリアに1-3で敗れ、あいにくの黒星スタート。だが、背水の陣となった第2戦のベルギー戦で、セバージョスはまさに獅子奮迅の活躍を見せている。ドリブルで仕掛け、パスを出し、自らもゴール前に走り込んでは際どいシュートを放った。2-1の勝利を手にする推進力を生み出していたのは、間違いなくセバージョスだった。

 また、イングランドで背番号10を背負うMFフィル・フォーデンは、19歳ながらマンチェスター・シティで頭角を現してきた逸材。2年前のU-17ワールドカップ優勝メンバーのひとりであり、イングランドの未来を担うと期待されている。

 イングランドは今大会初戦で、フランスに1-2と逆転負けしたものの、フォーデン自身は高い技術を十分に発揮。狭い局面をドリブルでかいくぐって決めた先制点は、まさしくスーパーゴールだった。

 その他、昨季フランクフルトの大躍進を支え、レアル・マドリードへの移籍が決まったセルビアのFWルカ・ヨビッチ。地元イタリアでは、すでにA代表デビューを果たしているMFロランド・マンドラゴーラや、ユベントスでチャンピオンズリーグにも出場しているFWモイーズ・キーンなど、現在の最注目株と言ってもいい選手が名を連ねる。

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