2019.06.17

ガチで来る! コパ・アメリカで
日本が対戦する3カ国が燃えている

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki
  • photo by Getty Images

◆スローペースの試合に持ち込む曲者・エクアドル

 グループ最終戦のエクアドル代表は、ベネズエラと共にコパ・アメリカの優勝経験がない。FIFAランキングは59位で、日本よりも下だ。しかし02年日韓、06年ドイツ、14年ブラジル大会とW杯に出場しており、日本よりランキング上位だった時期もある。ロシアW杯大会出場はならなかったものの、予選ではアウェーでアルゼンチンを2-0で粉砕。今回同組のウルグアイとチリにも何度も勝っている。たしかに3カ国の中では最も格下ながら、決して侮れない相手だ。

 日韓大会で悲願のW杯初出場に導いたのは、”ボリージョ”の愛称で親しまれているコロンビア人のエルナン・ダリオ・ゴメス監督。協会は、代表を立て直しカタールの切符を獲得するため、再び彼を指揮官に迎えた。監督がコロンビア人であるというだけでなく、エクアドルのサッカーは古くから隣国コロンビアの影響を強く受けていた。しかもアフリカ系や混血の人種構成比率も近いため、エクアドルのサッカーはコロンビアと非常に似ている。ある程度組織立っているものの、個人での仕掛けが積極的だ。

A・バレンシア(写真左)を中心に、エクアドルは絶妙な省エネサッカーを見せる

 チームのスターは右サイドMFのアントニオ・バレンシア。今季終了までマンチェスター・ユナイテッドに10シーズン在籍し、335試合25得点の成績を残している。ゴメス監督からは、「自分から引退を口にしない限り、常に彼を呼ぶ」と絶対的な信頼を得ている。そしてもう一人のバレンシア、エンネル・バレンシア(ティグレス)も相手にとっては脅威の存在。代表48試合で28ゴールという高い得点率を誇っている。

 また小柄なFWアンヘル・ミナ(クラブ・レオン)は曲者で、新参ながらMFアンドレス・チカイサ(リーガ・デ・キト)はトリッキーなプレーで意表を突いてくる。また、CBの”ボンバーヘッド”アルトゥーロ・ミナ(マラティアスポル)も魅力的な選手だ。

 基本は4-3-3または4-1-4-1ながら、「ドブレ8」(※ドブレ・オーチョ。「8」番は右サイドMFの意)と呼ぶ、右サイドにMF2枚を起用する攻撃的なオプションも用意されている。赤道直下のエクアドルの都市は、低地と山岳地帯に分布されている。高地のチームが低地に行くと猛暑で走れない。低地のチームが高地へ行くと酸素が薄くて走れない。このような国内リーグ環境から、エクアドルの選手には省エネサッカーが自然と身についている。ダラダラした状況から、突如仕掛ける術にも長けているのだ。エクアドルとすれば、走力に勝る日本に対し、スローペースな展開に持ち込みたいところだろう。

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