2019.05.31

リバプール優勢。トッテナムにチャンスは? CL決勝を3賢人が予想!

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倉敷 ファビーニョが中盤に加わったことによって、ワイナルドゥムは守備面の負担がかなり軽減されました。一方、それは彼にとっては中盤での守備のナンバーワンとしての地位を奪われたということでもあるわけです。そこで彼は、レギュラーとして生き延びる方策として本来持っている攻撃能力を生かす方向にベクトルを向けたのですが、大正解でしたね。選手の変化や生きる道を敏感に察知し、許容してあげられるのがクロップという監督なのだと思います。

「そうか、それならそれでやってみよう!」と背中を押せる。これが強みですね。香川真司も語っていましたが、クロップは本当に兄貴のような個性を備えた監督なのだそうです。

中山 そのようなクロップに対して、トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督は、対照的とは言わないまでも、クロップの「動」に対して「静」の監督という印象です。

小澤 ポチェッティーノはマネージャータイプの監督ですね。現地観戦したマンチェスター・シティとの準々決勝でもテクニカルエリアで激しい動きを見せるペップ・グアルディオラと対照的な落ち着きでした。一概に「動」が悪く、「静」が良いわけではないですが、プレミアのようなインテンシティの高いリーグ、チームにおいては中盤が間延びしてカウンターの応酬の展開になると、ポチェッティーノのような落ち着いた振る舞いができる監督の方がカオスをコントロールしやすくなります。もちろん、クロップはよりカオスを好む監督だと思いますが、ポチェッティーノはプレミアに合った監督だと思います。

倉敷 エスパニョールを率いた最後の頃を思い出すと、ポチェッティーノがこれほど優秀な監督になるとは想像できませんでした。プレミアで大きく進歩したんですね。

 彼が率いるスパーズもリバプールに劣らずバランスのとれたよいチームです。ただ両サイドバックには不安があります。左のダニー・ローズにしても右のキーラン・トリッピアーにしても、リバプールのアンドリュー・ロバートソンやアレクサンダー=アーノルドと比べるとやや物足りない印象です。ここをフアン・フォイスやベン・デイヴィスに変えても同じですね。

小澤 リバプールの両サイドとマッチアップするとなると、厳しいですね。そういう中で注目したいのは、ポチェッティーノが3バックと4バックを使い分けている点です。決勝戦でポチェッティーノが3バック、実質的5バックを使うかどうかが、最初の見どころになるのではないでしょうか。

中山 今シーズンのプレミアリーグで最初に対戦したときは、スパーズはクリスティアン・エリクセンをトップ下にした4-3-1-2を採用して1-2で敗れましたが、そのときは普通に力負けした印象でした。

 3月にアウェーで対戦ときはダビンソン・サンチェスを最終ラインに加えた実質的5バックにして戦いましたが、試合終了間際のオウンゴールで1-2の敗戦。ただ、内容的には5バックで戦ったときの方がリバプールを苦しめていた印象があるので、今回の決勝戦でもポチェッティーノが5バックを採用する可能性は十分にあると思います。

 一方のリバプールはどちらの試合も鉄板の4-3-3を使っていますし、今回もそのまま4-3-3を使うでしょう。でも、2回とも勝っているだけに、やりにくいのはリバプールのような気がします。