CLとEL決勝のカードが示す「フットボールをめぐる力の移り変わり」 (3ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper
  • 森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 そうした状況のもと、2006年にはアーセナルが3万8000人収容のハイバリーから6万6000人が入るエミレーツ・スタジアムに移転する。10年後にはウェスト・ハムが、6万6000人収容のロンドン・スタジアムに移った。この4月にはトッテナムもこの波に乗った。

 チェルシーが6万人収容のスタジアムを新設する計画は今のところ進んでいないものの、9万人が入るウェンブリーを加えれば、ロンドンはヨーロッパの「スタジアムの首都」の座をグラスゴーから奪い取ったと言えるだろう。今シーズンのプレミアリーグをロンドンで観戦した観客は、全体の37%を占めていた。フィナンシャル・タイムズ紙のジョン・バーン・マードックの推計によれば、イングランドのトップリーグの歴史で最高の数字だった。
(つづく)

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