香川真司、トルコに別れ。ベシクタシュでの4カ月は何を意味するのか (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • photo by Abaca/AFLO

 ベシクタシュでは、途中出場したデビュー戦こそ2ゴールを挙げたが、その後、なかなか先発の座をつかめなかった。試合勘、ゲーム体力を取り戻すところから始めたわけだから、必ずしも悪い結果とは言えないが、「思っていたほど貢献できなかった」のは確かだろう。助っ人としてチームを大きく変える存在にはなり切れなかった。

 それでは香川にとって、ベシクタシュでプレーした4カ月間はどのような意味を持つのだろうか。

 出場機会を得たことで、ある程度フィットネスを取り戻すことはできた。90分出場した試合は少ないが、逆に途中出場が多かったため、そこで試合の流れを変えることはできていた。先発出場とはギアの入れ方が違う、途中出場のコツを掴んだかもしれない。シーズン前半戦の流れから見て、ドルトムントにいては難しいことだっただろう。

 夢のスペインリーグへの移籍のために、アピールになったのか。そう言い切るには少々難しいところがあるだろう。トルコリーグはやはり各クラブのレベルにかなりのばらつきがある。チャンピオンズリーグ(CL)に出てくるような、たとえばガラタサライとの試合であれば、クオリティも高く、見応えもあるが、下位チームとの試合ともなると、どんなに活躍してもあまりプラスの要素にはなりそうもない。

 しかし香川は、この4カ月間がどのような意味を持とうと、次につなげなくてはならない。

 スペイン移籍希望を公言してからまだ半年しかたっていない。今後に関しては、イングランド、ドイツ、はたまた日本復帰と、さまざまな噂が飛びかっている。考えてみれば、欧州に渡って以来、香川はリーグ戦で優勝争いをしたり、CLに出場しているクラブにしか在籍していない。

 ここはスペインのリーグ下位のクラブへの移籍の可能性を探るくらい、割り切るべきではないだろうか。どうにかして夢を叶える、そのためのシーズンオフとなる。

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