伊東純也はゲンクでヒーローになった。来季は「CLでバルサとやりたい」 (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 クレマン監督は、「伊東は26歳で、経験もあるプレーヤーなので、指示したことを対して自分で考え、それをプレーに移してくれる」と言う。その一方で、ベルギーメディアは「伊東は22歳まで大学サッカーでプレーし、それからプロになった26歳の原石。すでにすばらしいプレーを披露しているが、まだ伸びしろを残している」と評し、伊東の遅咲きぶりを驚いている。

 今シーズン最終戦となった5月19日のスタンダール・リエージュ戦(1-1)、伊東は休養という形でベンチにすら入らず、観客席から仲間のプレーを見守り、試合後の表彰式に出た。

「(来シーズンのことは)何にも考えてないです。とりあえず、早く(日本に)帰って休みたいです」

 アジアカップが終わるやいなやすぐにゲンクに加わり、それからずっとシーズンを駆け抜けた伊東にとって、早く日本に帰って休みたいのは心からの本音なのだろう。

 各国代表の選手が集まるベルギーリーグにおいて、ゲンクに所属する選手の能力は「(J リーグより)はるかに高い」と伊東は語る。そんな環境で伊東は、ルーキーイヤーながらいかんなく実力を発揮した。そして、来シーズンはチャンピオンズリーグという世界最高峰の舞台に挑む。

「強いチームと戦うのは、やっぱり楽しい。(対戦してみたいチームは)全部。バルサとか、やりたいですね」

 人生初の優勝を果たしたその先に、夢の続きがさらに広がる。

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