マンチェスター・シティが今後10年は主役。直近2年で5冠獲得! (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 また、マンチェスター・Cが見せたプレースタイルにも、賛辞の言葉が寄せられた。

 元イングランド代表FWで現在テレビプレゼンターのガリー・リネカーが「タイトルを獲得しただけでなく、美しさを伴った戴冠だった」と表現したように、マンチェスター・Cは流麗な攻撃サッカーで観る者すべてを魅了した。ゴールまでの道筋があらかじめデザインされていて、そのイメージをフィールドプレーヤー全員が共有しているかのような一体感は、他の追随を許さなかったように思う。

 そのなかで、最大の功労者を選手からひとり挙げるならば、ポルトガル代表MFのベルナルド・シウバになるだろう。

 フィールドプレーヤーとしてはチーム最多となる「国内リーグ36試合」に出場。本職の両翼に加え、今シーズンはインサイドMFとして新境地を切り開き、リーグ連覇に大きく貢献した。

 とくに、昨季リーグ優勝の立役者だったベルギー代表MFのケビン・デ・ブライネの穴を埋めた功績は大きい。

 昨シーズンのデ・ブライネは、インサイドMFとしてチーム最多となる37試合に出場。リーグ・アシスト王やPFA(プロサッカー選手協会)選出のベストイレブン、チーム最優秀選手賞などを獲得した。目を見張るようなロングレンジのスルーパスや鮮やかなミドルシュートで、昨シーズンはマンチェスター・Cを引っ張った。

 ところが今季は、W杯ロシア大会で蓄積した疲労の影響は大きく、開幕早々にひざのじん帯を痛めてシーズン前半戦をほぼ棒に振った。後半戦に入っても、くるぶし、大腿部、ハムストリングの順に痛め、今季の出場数はわずか19試合に激減したのだ。

 本来なら、エース不在の影響を真正面から受け、チームにブレーキがかかってもおかしくない。だが、インサイドMFとして存在感を放ったB・シウバの活躍で、中盤の不足感はまったくなかった。

 試合後の取材エリアでも、必ずといっていいほど立ち止まり、記者の質問に真摯に対応するB・シウバの姿があった。真面目でひたむきな性格は、常に勝利と最高のパフォーマンスを選手に求めるペップの理想像とも重なる。「昨シーズンと同じレベルを維持できた」とグアルディオラ監督が語った背景には、キャリアベストと言えるパフォーマンスを披露したB・シウバの活躍があった。

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