初ゴールの酒井宏樹と、5失点の昌子源。日本人ダービーの明と暗 (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

 どれくらいの間合いをとって、どのタイミングでアタックするのがベストなのか。相手の能力やプレースタイルによって異なるだけに、センターバックにとっては悩ましい問題だ。もちろん、相手のプレースタイルなどを細かくチェックしてから試合に臨むことも、改善のカギになるだろう。

 パリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペは世界の一流センターバックでも手に負えない別次元の選手なので仕方ないとしても、それ以外のエース級アタッカーに対して自分の間合いで対応できるようになることが、次のステップとなりそうだ。

 幸い、この試合で大敗を喫したものの、チームのリーグ・アン残留は確定した。トゥールーズはシーズンごとに大幅なメンバーの入れ替えを行なわず、継続性を持ったチーム作りをするだけに、気を緩めなければ来シーズンも昌子が居場所を失うことはないだろう。

 いずれにしても、リーグ・アンの先輩でもある酒井に、3年間の積み重ねの結晶を見せつけられたこの試合は、昌子にとって大きな意味を持つ。今回味わった実力差、そして屈辱をモチベーションに、おそらく来シーズンも実現するであろう日本人ダービー第2ラウンドで、今度は昌子がどれだけの成長を酒井の目の前で見せつけることができるのか。

 来シーズンも、リーグ・アンで活躍するふたりの日本人ディフェンダーから目が離せない。

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