悔しさの後に見せた充実感。長谷部誠はチェルシー戦を特別と感じた (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 これまでも大きな試合はたくさんありましたけど、今日の試合は、それはそれで特別だった。なんかもっと、もっと......何だろうなぁ......『もっとうまくなりたいなぁ』という試合は、なかなかないんですけど、そのひとつだったかなと思います」

 試合終了直後は悔しさと無念さをにじませていた長谷部だが、50分ほど経ってミックスゾーンに姿を見せた時には、彼の表情から充実感や高揚感が伝わってきた。

 その理由のひとつが、フランクフルトの一員としてヨーロッパリーグのベスト4まで辿り着いた「誇り」。そしてもうひとつの理由が、35歳にしてキャリアハイを迎えている長谷部が強豪チェルシーを目のあたりにし、こういう場に身を置けば選手としてさらに成長できると強く感じたことだった。

「本当にここまで来れたというのは、僕個人にとっても、この歳でこういう経験をできるのはなかなかない。そういう部分では、ヨーロッパリーグは楽しみながらできたなと思います。またやりたい。やっぱり、いいですね」

 そう言うと、長谷部は少しはにかんだ。常に高い壁を乗り越えていこうとする、実に長谷部らしい言葉だった。

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