決勝は「匂いの消えた」イングランド勢
対決。連日のCL大逆転劇に思う

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 リバプール対スパーズ。この決勝対決に期待することは何かといえば、好勝負だ。サッカーの魅力の最大値をさらに更新するような接戦だ。

 負けられない立場にあるのはリバプールだ。ブックメーカー、ウィリアムヒル社の下馬評(90分間)では、リバプールの勝利が1.95倍で、スパーズは3.90倍と、およそ倍の差がついている。受けて立つ側のリバプールのスタイルが、前から行くプレッシングであるのに比べれば、スパーズは守備的だ。重心が後ろに下がるサッカーだ。

 それがそのままピッチに反映されると、「攻めるリバプール、守るスパーズ」という構図が鮮明になる。それでは試合の噛み合わせは悪くなる。エンタメ性は上がらない。ポチェッティーノ監督には、アヤックスとの準決勝第1戦で見せたような5バックになりやすい3バックではなく、第2戦で採用した4-2-3-1系の前向きなスタイルで臨んでほしいものだ。

 名勝負、2度あることは3度ある――に期待したい。

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