メッシの輝きに両軍指揮官も感嘆。バルサ、大勝で欧州王座奪還へ前進 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 その後、試合の主導権を握る時間もあったリバプールだが、どのような展開になるにせよ、メッシを中心に試合が進むことは想定内だった。それでも、この日のメッシを止めることはできなかった。

 バルセロナ側のコメントも、メッシの活躍に終始した。エルネスト・バルベルデ監督は、感嘆したかのように語った。

「すばらしい結果だった。メッシに何ができるか我々は知っているが、それでも彼には驚かされる。彼はキャプテンであり、試合を進めるリズムを作っていく。彼が違いを作り、勝利へ導いていく。今日は彼がこのチームのリーダーであることを、もう一度証明した。(3点目の)あの距離からのフリーキックを彼が蹴るかどうかはわからなかった。でも、彼はいつも我々が必要な時に結果を出す。相手に絶え間なく恐怖を与えるのだ」

 リバプールのユルゲン・クロップ監督もお手上げ状態だった。

「サッカーはこういうものだ。結果がすべてだ。バルセロナにとっては一瞬の隙があればそれで十分なのだ。我々のパフォーマンスには満足している。結果にはそれほど満足していないけれど、受け入れるしかない。正直に言えば、もっとよくプレーできたかどうかはわからない。2点目で、ボール(スアレスのシュート)がクロスバーに当たった時、何が起きたのか、はっきりとは思い出せないが、メッシには簡単な場面だったと思う。信じられないようなことがあったときは、防ぐことができないものだ」

 第2戦をアンフィールドに戻って戦うとはいえ、3点差が厳しくのしかかることは間違いない。リーグ戦では首位マンチェスター・シティを勝ち点1差で追っており、こちらも気が抜けない戦いが続く。

 一方のすでにリーグ優勝を決めているバルセロナにとっては、4シーズンぶりの欧州王者と、国王杯を含む3冠にまた一歩、近づいた日となった。

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