事実上のCL決勝戦。バルサ対リバプールを欧州番長3人はどう見る?

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倉敷 中盤はバルサに分がありますね。リバプールは、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネ、サラーのコンビネーションが魅力的ですが、あまりにも中盤が圧倒されるとカウンターのチャンスすらほとんど作れないかもしれません。

小澤 注目は、バルサにボールを持たれて押し込まれたときに、リバプールが前線の3枚の残し方をどのようにするかですね。基本的に、サラーにはあまり守備をさせたくないはずなので、そうなったときに、バルサの左サイドバックのジョルディ・アルバを誰が見るのか。フィルミーノとサラーのポジションを入れ替えるとは思いますが、バルサは右のネルソン・セメド、セルジ・ロベルトよりもアルバの方が脅威になりますので、普段とは異なるオーガナイズにしないと、ちょっと難しいでしょうね。

倉敷 リバプールの右サイドバック、トレント・アレクサンダー・アーノルドは攻撃こそ魅力の選手ですし、右センターバックのジョエル・マティプもやられる可能性が高い。左センターバックのフィルジル・ファン・ダイクは十分に守れると思うので、バルサにとってはジョルディ・アルバサイドからの攻撃でかなりチャンスが作れるのではないでしょうか。

小澤 そうですね。バルサはもともと右サイドで崩すことは少ないですし、基本的に右サイドで作ってメッシから左サイドに展開するというパターンなので、当然リバプールの右サイドを狙ってくるでしょうね。

中山 リバプールは戦い方が難しいですね。たとえば、リバプールが果敢に前からハメようとしても、現在のバルサは無理してパスをつなぐことをせず、それを吸収しながらロングボールをうまく使ってチャンスを作って無力化することができる。そこがリバプールにとってはやっかいです。

小澤 そう。今のバルサはGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンからのロングフィード1本でゴールを決められますし、カウンターアタックもできますからね。

中山 ルイス・エンリケ、エルネスト・バルベルデと監督がバトンタッチしたなかで、次第にそういった戦い方が浸透してきたのが近年のバルサなので、そこをユルゲン・クロップ監督がどのように分析して、対策を練ってくるのかが注目です。たとえばお互いが4-3-3でがっぷり四つの戦いをしたとして、バルサは力でねじ伏せられない場合に4-4-2に変更してカウンター狙いの戦い方もできます。

 しかも、バルサは控えの駒も豊富なので試合の途中で変化をつけられますけど、リバプールはそこまで戦い方を変えられません。そこでクロップが何を考えるのかが、この試合の最大のポイントになるでしょう。

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