欧州CLの達人が解析!「紙一重」で勝ち上がったトッテナムの長所 (4ページ目)

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倉敷 シソコが負傷したとき、ダビンソン・サンチェスという選択肢もありましたが、現地の小澤さんはどう分析していましたか。

小澤 他に駒が見当たらなかったので、あの場面ではジョレンテが出てくるだろうと思って見ていました。スパーズは選手層が厚くないですからね。

倉敷 スタジアムに大型ビジョンがありますが、どう活用されていましたか? この試合ではVARの是非が問われるデリケートなシーンが続出しましたね。

小澤 リプレー映像は見られないので、現場ではまったくわからないですね。トッテナムの新スタジアムにはイングランドでは珍しくモニターが4方向にあるのですが、問題になっているシーンは映りませんので、何が起きているのかを理解することは難しかったです。

中山 VAR判定が下されたときに、オフサイド、ゴールなど、そういう文字は大型モニターに映し出されるんですか?

小澤 はい、文字は出ます。でも、その過程がわからないから、なぜモニターをチェックしているのか、どのプレーを確認しているのかがわからない。そこはVARが抱えている問題点かもしれませんね。

中山 いちばん大切なスタンドで観戦しているファンがわからないというのは問題ですよね。他の3試合もそうでしたけど、この試合でも最後はVARが勝敗を分けた部分が多いわけですし。特に最後のアグエロの戻りオフサイドのシーンなどは、VARがなければ見逃されていたと思います。

倉敷 あれは目視ではわからないですね。スパーズの選手たちも諦めてオフサイドをアピールしていませんでした。そこははっきりとテクノロジーの勝利と言い切れますが、一方で73分のジョレンテのゴールシーンはどうでしょう。腰にボールが当たって入ったのか、ハンドだったのか。いくつかのカメラでそれぞれ印象が違って見えました。

中山 試合後、ジョレンテは「どっちに当たったとしても、自分は腕を身体につけていたから問題ない」といったようなコメントをしていました。でも、結局は最後に決めるのは主審ですからね。

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