武藤嘉紀が絶好の機会に出られず。「フラストレーションが溜まる」

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

「非常に悔しいです」

 ニューカッスル・ユナイテッドのFW武藤嘉紀は、思わずため息を漏らした。

 4月27日に行なわれたブライトン対ニューカッスルのプレミアリーグ第36節で、武藤は6試合連続となるベンチスタートを命じられた。前半33分、その日本代表FWに出番のチャンスがまわってきた。

武藤嘉紀は4月1日以来の途中出場となったのだが......武藤嘉紀は4月1日以来の途中出場となったのだが...... 開始14分の時点で、FWアジョセ・ペレスが負傷。痛みを抱えながらプレーしていたが、33分に交代となった。武藤は14分からウォームアップを開始。ペレスの代わりに投入されると思われたが、ラファエル・ベニテス監督が声をかけたのは、武藤とともにアップを始めていたMFケネディだった。

 試合後、「前半にペレスが負傷してチャンスが早めにくるかと思ったが」と記者から質問されると、武藤は短くため息をつき、冒頭の言葉を漏らしたのだった。武藤は静かに語る。

「(ため息)もう......、今日はちょっとわかんないですね。やっぱり、あそこでファーストチョイスじゃなかったというのが非常に悔しいです。『何でかな』という疑問もありますけど、やっぱり監督が決めることなので。とにかく、やっていくしかない」

 対戦相手の17位ブライトンは、直近6試合で5敗1分と絶不調。しかも、この6試合はいずれも無得点で、降格の危機に瀕している。

 今回のニューカッスル戦でも、前半は攻守両面でまったく噛み合わず、守備陣は寄せもマークも甘かった。「プレミアリーグは結果がすべて」「結果を残さないと序列は変わらない」と常々口にしている武藤にとって、このタイミングで投入されれば、ネットを揺らす絶好のチャンスだった。

 それだけに、失望は大きかったようだ。

「今までやったチームのなかで(ブライトンが)一番、力がないように思えました。だからこそ、みんな試合が終わった後は、すごくフラストレーションが溜まっていたというか。雰囲気も悪かった。自分としては、アジョセ(・ペレス)がケガしたときに出られれば最高でしたけど(ため息)。

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