遠藤航が選んだ便利屋とは違う道。「早く海外でボランチをしたかった」 (2ページ目)

  • 菊池康平●文・写真 text&photo by Kikuchi kohei

 浦和レッズからベルギーのシント・トロイデンには、昨年7月下旬に移籍を果たした。ベルギーに移籍をしてからさらに代表の中でのプレーが際立ったが、どんな成長があったのだろうか。

「一番大きいのはポジションの変化です。もともと代表では基本的にボランチをしていましたが、Jリーグではセンターバックやスリーバックの右をやったりしていたので、ボランチとしてずっとキャリアを積んできた選手じゃないんですよ。

 代表では(浦和とは違う)ポジションでやるところに難しさや、やりづらさを感じていたんです。でも自分の中では、ボランチとしてやっと代表に入って、やはりボランチで勝負したいという気持ちが芽生えていたんです。

 そして夏に移籍し、ベルギーではボランチとしてコンスタントに試合に出て、代表でもそのままボランチでプレーできているのが一番大きいです。まだ移籍して半年強なので、これからボランチとしてさらに力を磨いていかなければと思っています」

 どこのポジションでもできるユーティリティーな部分が強みでもあったが、ボランチへの強いこだわりがあったのだ。シント・トロイデンの立石敬之CEOからも遠藤のボランチへのこだわりを聞く機会があった。

「日本では、スリーバックと後ろ寄りでやっていましたよね。シント・トロイデンに加入する際に、遠藤から『ボランチで勝負したい』と最初に言われたので、うちでやるならボランチか右のサイドバックだよとは伝えていました。

 そのポジションで今やれているのは、彼にとっていいことだと思いますし、ポジションの適正やベルギーでフィジカルの強い相手に対しての慣れもあり、成長していると思います」

 複数のポジションをやっていた経験があるからこそ、サイドバックやセンターバックの気持ちもわかる。

「もともとは守備の選手なんで、やはり後ろの選手が求めていることはイメージしやすいです。それにプラスして、ボランチは前とも関わらなきゃいけないので、前の選手の生かし方はより考えなきゃいけないんです。ただ、基本的にはやはり後ろの選手をいかに助けられるかというところは常に考えているし、トライしています」

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