伊東純也がゲンク移籍で驚いたこと。「練習は長く1回1回がきつい」 (3ページ目)

  • 菊池康平●文・写真 text&photo by Kikuchi kohei

 悔しさを抱えながらゲンクへ加入した。デビュー戦は2月21日に行なわれたヨーロッパリーグの決勝トーナメント1回戦。スタメンでフル出場したが、スラヴィア・プラハ(チェコ)に1-4で負けた。海外では特に第一印象が重要である。負けるとチームも個人も評価が下がるだろう。

「あれはきつかったです。あそこで勝っていれば印象が全然違いました。デビュー戦での完敗はけっこう大きかったです」

 勝って得点やアシストが出来ていたらインパクトを残せただろう。チーム自体の調子が良くなかったのでアンラッキーでもあった。

 続くリーグ戦のアントワープ戦では後半17分から出場、シャルルロワ戦では後半21分から出場した。2試合を通じて手ごたえも課題も浮き上がった。

「普通にできる手ごたえは感じましたが、決定機があったので決めないといけません」

 得点という結果を出さないといけないという危機感が強いのだ。また、課題もはっきりとしてきた。

「普通に通用する部分はたくさんありましたが、味方にもまだ(自分の)特徴をわかってもらえていないので、自分のほしいタイミングではまだパスが来なかったりするんです」

 日本であれば伊東の足の速さなどの特徴をチームメイトは理解しているので、空いているスペースにパスを出したりと、武器を活かしてくれるだろう。だが、移籍したばかりではそううまくいかず、この課題は仲間の理解が得られるまで時間が必要だ。

 試合で体感したレベルはどんなものであったのか。

「やれるなという感覚はあります。ただセンターバックは大きくて強く、サイドバックは能力の高い選手が多いです」

 特徴をわかってもらい、どんどんパスを出してもらえたら、大きく強いセンターバックの裏をつけるはずだ。伊東ほどの瞬発力やスピードに優るディフェンダーはそう多くはいない。

 まだチームへ加入して数週間だったが「試合にも出られているので順調なのでは」と問うと、悔しそうな顔をした。

「試合にも絡めているのでそうとも言えますが、やはり結果を出したいんです」

 ゲンクはレギュラーシーズンを首位で終え、強豪なので選手層も厚い。絶対的な地位を築くには、やはり結果を出すことしか方法はない。

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