久保建英を待ち受ける茨の道。バルサBでは「メッシ二世」が毎年誕生 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Sano Miki

 もし18歳になる久保がバルサに復帰しても、平坦な道はないだろう。実は逆風も吹きつつある。

 かつてバルサでは、高い技術とコンビネーションを鍛え上げたメッシ、イニエスタ、シャビ・エルナンデスなど、小柄な選手が目立った。しかし昨今は、フィジカル的なインテンシティも必要とされ、ボールをつなぎ倒すパス戦術は鈍化しつつある。バルサの特殊性は薄れつつあるのだ。

 必然的に、ラ・マシアでも選手が大型化している。例えば、ギニア人の16歳MFイライクス・モリバは「ポール・ポグバとヤヤ・トゥーレを合わせたスケール感」と絶賛され、ダイナミックなプレーを得意とする。過去のラ・マシアにはいなかったタイプだろう。3年契約、200万ユーロ(約2億6000万円)で契約を更新し、移籍違約金は1億ユーロ(約130億円)に設定された。

 はたして、久保のポジションはどこになるのか。サイドアタッカー、もしくはインサイドハーフ。突破力と得点力を重んじるなら前者だが、昨今のバルサはサイドに爆発的なスピードを持つ選手を置く傾向がある......。

 久保はFC東京ではサイドアタッカーだが、インサイドでもプレーできる力を示している。2列目でラインを行き来し、ボールの出し入れ、展開力に鋭さを見せる。ボールを失わず、相手のマークをはがせ、ゴールにも迫れる。

 バルサの系譜では、メッシよりもセスク、チアゴ、カルラス・アラニャーに近いか。バルサ出身ではないが、マンチェスター・シティのスペイン代表MFダビド・シルバも同じ匂いがする。

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