さらにタフになった植田直通。心の支えは鹿島の先輩・岩政の教え (3ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by Getty Images

 スタメン組に何もやらせない。自分がスタメンを取ってやる――。

 その強い気持ちで戦った紅白戦が、その後の植田の飛躍につながっている。ベルギーの地でも、植田は鹿島での学びを実践しているのである。今季は植田にとって、あらためて学びの多いシーズンだったはずだ。

「いろいろなことを経験しているシーズンです。年末までコンスタントに試合に出続けてきたが、今年に入ってから出られない時期がありました。

 ただ、こうしてまた試合に出始めて、チームも勝ち出したので、そこは自分もチームに貢献できていると思います。試合に出られなかった悔しさを忘れてはいけない。その情熱、パワーをぶつけていきたい」

 さらに、植田は続ける。

「出ている時期もあり、出てない時期もあって、僕のなかではかなり成長できたシーズンだと思う。何より、日本から離れてここに来たことが一番デカいことだった。

 最初はなかなか対応することが難しかったですが、いろんな方の支えがあって、今の自分がある。サッカー面でも、言葉が違うし、難しい部分もありますが、『日本の外でやっている選手は、こういうことを乗り越えてやってきたんだ』と、あらためて思いました。そのなかでどれだけやっていくか。これからもヨーロッパの舞台でやっていきたいです」

 タフで知られる男は、ベルギーでさらに一層、たくましくなっている。

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