浅野拓磨が陥ったビッグクラブ移籍の落とし穴。現地報道も加熱する事態 (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 2部降格とそれにともなう予算削減が現実として迫るなかで、今季は負傷が多かったとはいえ、リーグ戦先発9試合、途中出場4試合、得点0にとどまった浅野を買い取るのが難しいというのは、ある意味でしかたがない。300万ユーロは相場からすれば決して高い金額ではないが、「払えない」という判断もあり得るだろう。

 ただ、つい浅野の立場を思いやってしまうのは、各報道に、その決断に対して「アーセナルが苛立っている」というニュアンスが込められていることだ。実際はどの記事を見ても、アーセナルの誰がそう表明しているのか、具体的な記述はない。ドイツ人記者からすれば、単に浅野を買い取れないハノーファーの不甲斐なさを指摘しているだけなのかもしれないが、それが事実だとすれば、アーセナルはすでに浅野への興味を失っているということになる。

 今回のケースは、今後、日本人選手がアーセナルのようなビッグチームに籍を置き、他の小さなクラブへレンタル移籍するような場合、思い出すべき事例となっていくだろう。そして浅野には、酷な話ではあるが、この自分ではどうにもできない悔しい思いを、成長への糧としてほしいものだ。まだまだこれからの選手なのだから。

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