ロナウドの野望を粉砕。アヤックスはCL史に残る画期的チームだ (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Getty Images photo by Getty Images

 しかし、それはこだわりのある攻撃にも見えた。こういうプレーを繰り返していると、ユベントスにやられてしまうぞと、悪い予感が走ることはなかった。むしろ余裕、自信の表われと解釈する方が自然で、そこにつけ込もうとする、強かった頃のイタリアらしさをユベントスに見ることはできなかった。

 ユベントスが勝利するためには2点が必要になる決勝ゴール兼ダメ押しゴールが生まれたのは後半22分。シェーネの蹴ったCKを、19歳のオランダ代表CB、マタイス・デ・リフトが反応した。高々とした打点からゴールライン上に叩きつけたヘディングは、ユベントスの息の根を止めるに十分な、迫力満点の一撃だった。

 アヤックスはグループリーグでバイエルンと2試合引き分け、決勝トーナメント1回戦では王者レアル・マドリードに逆転勝ち。そして手堅いサッカーで知られるユベントスにも、逆転で勝利を収めた。もはやダークホースの域を超えた状態にある。CLの歴史に久々に登場した画期的なチームだ。

 前回出現した画期的なチームもアヤックスだった。いまから24年前、1994-95シーズンのCLを制したルイス・ファン・ハール率いるアヤックスだ。ついこの時のチームと比較したくなる。

 翌1995-96シーズンは準優勝だった。相手はユベントスで延長、PK戦負け。ビッグクラブにメンバーを抜かれながら、CL2連覇まであと一歩のところまで迫る姿には、判官贔屓をくすぐられた。

 さらに1996-97シーズンも、アヤックスが最後に戦った相手はユベントスだった。舞台は準決勝。通算2-6の大敗劇だった。

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