ペップがCL制覇へ正念場。トッテナムとの第2戦はシティが有利か (2ページ目)

  • 井川洋一●文 text by Igawa Yoichi
  • photo by Getty Images

 試合後に、中盤で先発したイルカイ・ギュンドアンは「CLの重要な試合になると、我々はナーバスになってしまうようだ」と『スカイ・ドイツ』に語っている。特に彼のパートナーを務めたフェルナンジーニョは相手のマークに苦しみ、うまくリズムを生み出せなかったように思える。そしてプレミアリーグでも新ホームスタジアムで初得点を決めたソン・フンミンにゴールを許し、シティは1点のリードを許してホームでの第2戦に臨むことになった。

 ただ、両チームの状況を比べると、シティに追い風が吹いているようだ。第1戦でスパーズのエース、ハリー・ケインがファビアン・デルフと交錯して足首を負傷。まだ状態の詳細は明かされていないが、今季絶望とも噂されており、少なくとも第2戦には間に合わない。同じくそのシティ戦で手を骨折したデレ・アリと、練習中に鼠蹊部の問題を再発させたハリー・ウィンクスも、出場できない可能性がある。

 対するシティはデ・ブライネの先発復帰が確実視されている。今季、負傷により多くの試合を欠場してきたベルギー代表MFは、週末のクリスタル・パレス戦で今季リーグ初の2アシストを記録。シーズンの佳境に合わせたかのように完全復帰した27歳について、「(彼の離脱期間中は)本当に待ち遠しかった。彼にはほとんどの人間が持っていない能力とビジョンがある」とグアルディオラ監督は喜んだ。

 一方のスパーズも、4月13日のハダースフィールド・タウンとのリーグ戦に4-0で完勝。前述した負傷中の3人のイングランド代表を欠いたものの、"代役"たちが見事な働きを披露している。フェルナンド・ジョレンテは熟練のポストワークで前線の基準点となり、ビクター・ワニャマは攻め上がって先制点をマークし、ルーカス・モウラは2013年の欧州上陸後、初のハットトリックを達成。モチベーションが高く、よりフィジカルの強い彼らのほうが、テクニカルなシティにとっては厄介かもしれない。

 奇しくも、4月17日の第2戦の後の週末にも、プレミアリーグで両者の対戦が組まれている。4冠──グアルディオラはFAコミュニティシールドも含めて5冠と言う──を狙うシティにとって、どちらも落とせない試合となるが、それは目下リーグ3位で、CL出場圏内の4位以内フィニッシュの足場を固めたいスパーズも同じだ。

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