インテルFWイカルディの鬼嫁が大暴走。CEOの忍耐も限界か? (2ページ目)

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 現在、インテルとイカルディの関係がこじれにこじれているのも、発端はこのワンダだった。イカルディとインテルの契約は2021年の6月末までだ。契約が切れるのはまだ2年も先の話なのだが、すでに2018年の終わりごろから、ワンダの激しいプレッシングが始まった。

 まずは彼女とインテルの間で、冗談めかした形での応酬が交わされた。その中でも一番強烈だったのは「インテルはマウロ(イカルディ)をユベントスに売って、(クリスティアーノ・)ロナウドとコンビを組ませたいみたいよ。契約更新は遠そうね」というワンダの発言だ。

 ちょうどその頃、元ユベントスのGM、ジュゼッペ・マロッタがインテルのCEOに就任しただけに、この発言は物議をかもした。インテルはこれを、真っ向から否定している。「ワンダ夫人の発言は都市伝説に近い。イカルディはユベントスには決して移籍しない。我々は彼との適正な契約更新を望んでいる」と。

"適正な"とは? インテルは更新の条件として550万ユーロ(約6億9000万円)の年俸を提示した。一方、ワンダは700万ユーロ(約8億8000万円)+ボーナスを要求した。

 年末休暇になり、イカルディとワンダはアルゼンチンに里帰りした。そして年始最初の練習日に、イカルディは現れなかった。マロッタはこのことを重く見て、イカルディに10万ユーロ(約1250万円)の罰金を課した。ワンダは反撃に出た。

「インテルの提示する額では、契約は更新できないと思う。今、スペインのふたつのチームと交渉している」

 この発言は炎上したが、ワンダはそれだけでは気が済まず、今度はチームメイトすべてを敵に回すようなコメントをした。

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