インテルFWイカルディの鬼嫁が
大暴走。CEOの忍耐も限界か?

  • パオロ・フォルコリン●文 text by Paolo Forcolin 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 マウロ・エマヌエレ・イカルディ(インテル)は今年2月、26歳になった。既婚者で二児の父、そして10年のプロ選手としてのキャリアを持つイカルディだが、それでも彼はいまだに「マウリーニョ(マウロちゃん)」と、子どものように呼ばれている。

 その理由のひとつは、実際にイカルディが子どものままだからだ。もちろんルックスではなく、その頭の中が――。数々の問題発言、体中のタトゥー、ド派手な高級車を乗り回し、服装の趣味はお世辞にもいいとは言えない。

 そしてイカルディ家のすべてを取り仕切っているのは、このスター選手ではなく、ワンダ・ナラ、6歳上の姉さん女房だ。派手で、目立つのが大好きな女性だ。サンプドリア時代のイカルディのチームメイト、マキシ・ロペス(現ヴァスコ・ダ・ガマ)の妻で、彼との間に3人の子どもがいたが、イカルディは彼女に惚れ込み、ロペスから略奪し(もしくはイカルディがワンダに略奪され?)、結婚した。

マウロ・イカルディ(インテル)と妻で代理人のワンダ・ナラ photo by Getrty Imagesマウロ・イカルディ(インテル)と妻で代理人のワンダ・ナラ photo by Getrty Images だが、ワンダは妻の座だけでは飽き足らなかった。彼女はイカルディの代理人となり、夫の契約、更新、移籍と、すべてを取り仕切るようになった。こうしてイカルディは表ではすっかり何も言わなくなり、かわって彼女が常にスポットライトを浴び、チームとの交渉を一手に引き受けるようになった。

「スポットライトを浴び」というのはたとえ話ではない。ワンダ・ナラは実際『ティキ・タカ』というイタリアの人気テレビ番組の常連ゲストで、そこでチームやチームメイトについて好き勝手な発言をしている。夫の職場(インテル)のことなど屁とも思っていない様子だ。

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