CL4連覇に近づくロナウド。
アヤックスの「甘い夢」をぶち壊す

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 先制弾となるヘディングシュートが決まった瞬間だが、なにより前半終了間際という奪った時間帯がよかった。

 前半、主導権を握っていたのはアヤックスで、少なくとも18分にハキム・ジエク、25分にドニー・ファン・デ・ベークが放った2本のシュートは決定的だった。そうした流れのなかで、アヤックスは相手のエースにアウェーゴールを奪われてしまった。ショックは大きかったに違いない。

 それは両者の関係が露わになったシーンでもあった。準々決勝を前に、ユベントスはブックメーカーの優勝予想で1番手に祭り上げられていた。一方、アヤックスは7番手。好チームではあるが、強チームではない。ユベントスにはレアル・マドリードのような穴はない――というブックメーカーの判定は、正しいように見えた。

 だが、後半開始直後、それを覆すシーンが訪れた。最近ブラジル代表にも選ばれた左ウイング、ダビド・ネレスが、小柄な身体を活かし、左サイドからスルスルと切れ込む。そして振り幅の狭いミドルシュートを放つと、ボールは逆サイドの右隅に、きれいな弾道となって吸い込まれたのである。

 1-1。ユベントスは最高の時間帯に先制しながら、最悪の時間帯に同点弾を許した。そしてその後、嫌な気配を感じながらプレーすることになった。いい気分でプレーしたのは結局、1分程度にとどまった。

 アヤックスに番狂わせを許したレアル・マドリードは、その第1戦のアウェー戦を1-2の勝利で折り返した。第2戦を1-4で落として敗れ去ったわけだが、第1戦だけの比較で言えば、内容的にもスコア的にもレアル・マドリードはユベントスに勝っていた。

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