バルサ相手にホームで「0-1」。
マンチェスター・Uは善戦or完敗?

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

「今夜のマンチェスター・ユナイテッドを評価するなら、バルセロナに大きな仕事をさせなかったことに尽きる。リオネル・メッシは輝けず、ルイス・スアレスも大きなチャンスが1度しかなかった。フィリペ・コウチーニョも本来の姿ではなかった」

 4月10日に行なわれたマンチェスター・U対バルセロナのチャンピオンズリーグ準々決勝・第1戦の試合後、英『BBCラジオ5ライブ』で試合をこう振り返ったのは、スペイン人ジャーナリストのギジェム・バラゲ氏だ。イングランドサッカーにも精通する同氏は、この日のマンチェスター・Uの出来をそう評価した。

1失点後のマンチェスター・Uはメッシに仕事をさせなかった1失点後のマンチェスター・Uはメッシに仕事をさせなかった 第1戦の結果は、バルセロナがアウェーで1-0の勝利。あまりに低かったマンチェスター・Uの戦前の下馬評を思えば、第2戦に望みをつなぐスコアで終わらせたことは一定の評価に値するだろう。

 実際に試合では、マンチェスター・Uがバルセロナのよさをうまく消し、前半の終盤からはカウンターやサイドアタックで相手ゴールを脅かすシーンも作った。12分の早い時間帯にオウンゴールで先制したバルセロナがペースを落としたという見方もあるが、マンチェスター・U側からすれば、優勝候補を相手に「善戦した」と評していい試合内容であった。

 うまく機能したのが、オーレ・グンナー・スールシャール監督が用いた「バルセロナ対策」だった。指揮官が採用したのは、中盤に「3人のセントラルMF」と「ウィングバック」を配した3-5-2。昨年12月に就任して以来、ほぼ一貫して4バックシステムで戦ってきたスールシャール監督だが、新政権では2度目となる3バックでバルセロナ戦に挑んだ。

 それでも、試合開始からおよそ20分までは、バルセロナの厚みのある攻撃に苦しんだ。

 この時点で「チャンピオンズリーグの常連と、チャンピオンシップ(英2部)クラブの戦いのようだ」と形容したのは、BBCラジオでコメンテーターを務めるアラン・グリーン氏。前半12分にはメッシのラインブレイクから崩され、バルセロナに先制ゴールを許した。失点後、筆者もマンチェスター・Uの大量失点は避けられないと思った。

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