メッシ、31歳にして進化中。伝説の始まりをあらためて振り返る (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Reuters/AFLO

 ポジティブな姿勢で、すべてのプレーを磨き上げる。ドリブルだけでなく、パスも、キープも、シュートも、ヘディングも、そしてフリーキックも――。それは"サッカーを生きる"に等しい姿だ。

 メッシは、まさにフットボールの申し子と言える。デビューから15年近くが経過したが、当時は蹴らなかったFKでも世界最高の称号を与えられようとしている。再び、彼のような選手は現れるのだろうか。

 4月6日、アトレティコ・マドリードとの首位決戦。メッシは、試合を決める2点目を左足で決めている。ひとりでボールを持ち込み、エリア内でディフェンダーをかわした後だった。立ち塞がるもうひとりのディフェンダーを、あえてGKのブラインドに使い、ニアサイドに打ち込んでいる。離れ業だ。

 この試合の結果、バルセロナと2位アトレティコ・マドリードの勝ち点差は11に広がった。

 そして4月10日、マンチェスター・ユナイテッドとのチャンピオンズリーグ準々決勝で、英雄メッシはどんなプレーを見せるのか――。

「メッシはプレミアリーグのクラブを得意としない」

 データを持ち出してそう言われるが、その分析はあまり意味がないだろう。仮にそうだとしても、彼はその数字をひっくり返せる。毎試合、あるいは試合の中でも、進化するのがメッシだからだ。

「メッシ」――その名前には、すでに伝説の響きがある。

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