2019.04.08

CLでバルサが放つビッグクラブのオーラ。そしてメッシは燃えている

小澤 とにかくパリは試合の入りの部分が悪かったですね。第1戦でアドバンテージを得てのホームでの第2戦ですから守備的に入ること自体は悪くないですが、チームとして集中力が切れたような入り方でした。すると開始早々の2分にいきなりティロ・ケーラーがあのようなミスをして失点します。当然、その後の全体の流れも悪くなってしまいました。それと、試合終了間際のPK判定がVARだったという点では、パリが毎年のように苦しめられているサッカー界の政治力が働いたのではないかという話も出てきそうです。

中山 最近、パリのアル・ケラフィー会長がUEFAの執行委員に選出されたので、順当に勝っていれば今回はベスト8の抽選で優遇されると予想していましたが、その前に敗退してしまったので、その予想は来シーズンに持ち越しです(笑)。

 とにかく不可解なことが多い試合でしたが、小澤さんがおっしゃったように、この試合のストーリーはすべてケーラーの凡ミスから始まりました。中央の状況をまったく見ないままバックパスをするなんて、なかなかあのレベルの試合で見られませんし、魔が差したとしか言いようがありません。2失点目につながったジャンルイジ・ブッフォンのミスも、経験豊富なレジェンドからは想像できないプレーでした。

 振り返れば、先制点を許した直後に追いついたキリアン・ムバッペの同点ゴールでさえ、このストーリーの流れを作ってしまったように思えるほどです。もし0-1のまま試合が進んでいたら、ブッフォンのミスもなかったような気もしますし、土壇場で勝者と敗者がひっくり返るようなストーリーは成立しなかったように思います。

倉敷 パリには悲しみのストーリー。でも、同情する気になれないのは一昨シーズン前のバルサ戦のことがあるからです。心からがっくりくるような大逆転劇を許した経験がありながら、そこから何も学んでいなかったのでしょうか。優秀な監督を呼んで、素晴らしい経験値を持つゴールキーパーを獲得し、どのような姿勢で第2戦に臨めばよいのか、準備は整っていたはずなのに。

中山 2年前はあの大逆転負けにサポーターたちはショックを感じていましたが、さすがに今回は怒りが爆発していましたね。とくにゴール裏のウルトラス(熱狂的なサポーター集団)は、直後に行なわれたマルセイユとのフランス・ダービーで応援をボイコットするとし、キックオフから30分間はホームのゴール裏スタンドをぽっかり空けると宣言しました。

 実際は、30分も我慢できず、15分くらいでゴール裏になだれこんできましたが(笑)。

倉敷 なるほど、微笑ましくもありますね(笑)。一方でユナイテッドのファンは、決してよくないチーム状況であっても勝負には勝つ、というファーガソン時代を思い出させてくれる、と喜んでいます。

中山 3ゴールすべてが自分たちで生み出したものではなく、パリにプレゼントしてもらったものばかりでしたし、内容的にも圧倒されていましたからね。そういう意味では、クローズアップされたのがスールシャール監督になるのもわかりますし、実際、就任後から彼は何か奇跡を起こしそうな雰囲気を醸し出していたことは事実だと思います。