15年前のCL覇者とリバプールが対戦。3賢人が緻密に予想した (3ページ目)

倉敷 それにしてもリバプールのマネは絶好調ですね。これまでに彼がチャンピオンズリーグで決めた13得点のうち、なんと9得点がノックアウトステージでのものだそうです。シーズン後半戦に調子を上げてくるタイプなんですね。リバプールがどこまでいけるかの鍵を握っていそうです。

中山 個人的にバイエルンとの第2戦で気になったのは、リバプールが3トップの配置を時間帯によって頻繁に入れ替えていたことでした。開始は左にサラー、中央にフィルミーノ、右にマネが位置していましたが、8分にユルゲン・クロップ監督がマネと話したあと、サラーがセンター、左がフィルミーノという配置に変更しました。その後まもなく右にサラー、中央にフィルミーノ、左にマネという通常の並びになりました。

 その狙いがどこにあったのか、わからない部分もありますが、少なくともそれによってバイエルンの守備陣に混乱が生まれたように思います。相手にしてみれば、リバプールの3トップで最も警戒しなければいけないのはモハメド・サラーで、その次に注意しなければいけないのは捕まえにくいロベルト・フィルミーノだと思います。そうなると、3人のなかでどうしてもマークが緩くなってしまうのがマネになってしまうのではないでしょうか。これは、決勝トーナメントでマネがゴールを量産していることと無関係ではないように思います。

倉敷 ベスト8で対戦するポルトは、その3トップをどう抑えるでしょうか。ポルトはラウンド16ではローマと対戦、第1戦のオリンピコでは2-1で敗れましたが、第2戦のホームゲームで2-1と追いついて、延長戦の末に3-1で勝利しました。おふたりの印象はいかがですか?

小澤 ポルトとしては、できる限りスリーラインをコンパクトにしてリバプールの前線にスペースを与えない試合展開に持ち込みたいところです。ただ、国内では真逆の展開が当たり前のチームですので、守備から入る試合運びがうまくできるかどうか。そこはセルジオ・コンセイソン監督の手腕の見せ所です。

中山 どちらが勝っていてもおかしくない試合だったと思いますが、最終的には途中出場した選手の差が明暗を分けた印象です。勝ったポルトで言えば、延長後半にPKをもらったフェルナンド・サントス、負けたローマでは、そのファールを犯してしまったアレッサンドロ・フロレンツィです。

 ただ、それよりもローマの敗因として挙げたいのは、今シーズンは監督のディ・フランチェスコの引き出しが尽きてしまった感があったことではないでしょうか。実際、彼はその後に解任の憂き目に遭いましたし、振り返れば、昨シーズンのバルセロナ戦のジャイアントキリングが彼のハイライトだったように思います。個人的には期待していた監督なので、少し残念に感じますが。

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