15年前のCL覇者とリバプールが対戦。3賢人が緻密に予想した

蹴球最前線──ワールドフットボール観戦術── vol.59

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材し続ける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。この企画では、経験豊富な達人3人が語り合います。前回に続き、テーマは欧州CLの注目カードについて。今回は、優勝候補の一角であるリバプールとポルトの対戦。昨シーズンのファイナリストであるリバプールは今季も決勝まで進めるのか?

――今回はチャンピオンズリーグ準々決勝4カードのなかから、リバプール対ポルトについて、お三方に掘り下げていただきたいと思います。このカードの第1戦は、4月9日にリバプールの本拠地アンフィールドで行なわれます。

ラウンド16でバイエルンを下して勝ち上がったリバプールラウンド16でバイエルンを下して勝ち上がったリバプール倉敷 この両チームはヨーロッパのコンペティションでは過去6度対戦してリバプールが3勝3分という結果を残しています。昨シーズンはラウンド16で対戦して、リバプールがポルトのホームで0-5と大勝したあと、第2戦を0-0で終えてトータルスコア5-0で勝ち上がっています。過去のデータではリバプール有利ですね。

中山 昨シーズンの第1戦では、サディオ・マネがハットトリックを記録したうえ、モハメド・サラー、ロベルト・フィルミーノもゴールを決めて、3トップ揃い踏みでした。今シーズンのリバプールはあのときよりもパワーアップしていると思うので、よほどのことがない限り、このカードはリバプールでしょうね。

小澤 ローマを破ってベスト8入りしたポルトですが、アヤックスと並び強豪にとっては抽選で「引きたい相手」でしたのでリバプールは正直、「ラッキーな組み合わせ」という感想でしょう。

倉敷 では、両チームのラウンド16の戦いを振り返りましょう。リバプールはバイエルンとホームで対戦した第1戦がゴールレスドロー、アウェーの第2戦で1-3の勝利を収めて勝ち上がりました。強かったですね。敵地で決めたサディオ・マネのゴールはチャンピオンズリーグのゴール・オブ・ザ・ウィークに選ばれた美しいものでした。

小澤 決勝点となったフィルジル・ファン・ダイクのヘディングシュートもすごかったです。高身長のハビ・マルティネスとマッツ・フンメルスとの競り合いに対して、あの高いヘディングですから、驚きました。ただ、それ以上にここ最近のパフォーマンスレベルの高さには驚かされています。

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