イングランドの未来は明るい。
10代の台頭で育成改革が花を咲かせる

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by AFLO

 立ち上がりはチャンスメイクに苦戦したイングランドだったが、そのサンチョが先制ゴールをアシストした。CFのハリー・ケインからスルーパスが入ると、抜群のタイミングでDFラインの背後へ突破。フリーでパスを受けてダイレクトでゴール前に返し、ラヒーム・スターリングの得点をお膳立てした。

 相手にスペースを消されたこともあり、試合全体の出来はやや低調だった。だがスピード突破に自信のあるスターリング(左FW)とのサイドアタックは、今後イングランドの大きな武器になりそうだ。

 一方のハドソン=オドイは、この試合でハットトリックを達成したスターリングとの交代で70分から途中出場。左FWの位置に入り、A代表デビューを飾った。

 試合の終盤には力強いミドルシュートを放ち、相手のオウンゴールを誘発した。サンチョとともに爆発的なスピードと瞬発力、確かなテクニックを有し、この試合でも左サイドからのカットインで好機に絡んだ。

 所属先のチェルシーでまだ国内リーグ戦の先発はないものの、才能の大きさはバイエルン・ミュンヘンから提示された4000万ポンド(約58億円)の獲得オファーで証明済みだ。今後、所属先のチェルシーで出番をいかに増やしていくかがポイントになるが、マンチェスター・シティからドルトムントに移籍したサンチョのように定位置確保の近い新天地へ渡り、コンスタントに出場機会を得るのも手だろう。

 さらにチェコ戦では、1999年生まれの新鋭MFデクラン・ライスも、後半途中から出場し代表デビューを飾った。所属先のウェストハム・ユナイテッドでレギュラーとしてフル稼働中のアンカーで、攻守両面で見せるダイナミックなプレーが持ち味。ウェストハムのマヌエル・ペジェグリーニ監督も「私見では、デクランがイングランドベストの守備的MF」と褒め称えるなど、これからが楽しみな逸材だ。

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