鎌田大地、動けず。シント・トロイデンが逃がした魚は大きかった (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • photo by AFLO

 ゲントと同様に、今季不振で苦しんだアンデルレヒトも、ラストスパートをかけてプレーオフ1に滑り込んだ。ビッグクラブが遺伝子として持つ「勝者のメンタリティ」――それがシント・トロイデンと上位クラブを分けたのかもしれない。鎌田が言う。

「いつもプレーオフ1に行くチームは、絶対に最後は負けることなく勝ち続ける。僕たちはそういう気持ちの面で、まだ勝者のメンタリティがなかった」

 昨季インゴルシュタットで出場機会に恵まれず、シント・トロイデンで捲土重来を期した関根貴大だったが、結局はケガに泣いたレギュラーシーズンだった。だが、このゲント戦では交代選手の1番手として、マーク・ブレイス監督からピッチに送り出された。

「目標にしてきたプレーオフ1進出を達成できなかったのはとても悔しいです。今日はみんな本当に落ち込んでいる。今はプレーオフ1に行けなかったことを受け止める時間が必要だと思います。

(今シーズンを振り返って)何もしてないのが現実としてある。こういう日のために準備をしてきて、試合に出られたことは、がんばってきた証(あかし)だとは思います。そこに関して、悔いはない。プレーオフ2では結果を出せるようにがんばっていきたい」

 試合後、シント・トロイデンのサポーターが集まるカフェに筆者が行くと、即座に客から「おごりだ」と、ビールが振る舞われた。そして、悔しさをビールで流し込みながら、「今日のゲントは強すぎた。シント・トロイデンはまだプレーオフ1のレベルになかった」と語り合ったのだった。

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