W杯が拡大の一途でファンはお腹いっぱい? FIFAの野望が止まらない (4ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 インファンティーノ会長は、各地域のネーションズリーグを統合して世界版とし、奇数年の夏に2年サイクルの8チームによるミニ・ワールドカップの開催を計画しているが、それを実現するためには、やはり過密日程の問題をクリアする必要がある。

 果たして、選手を守って各大会のクオリティを保つのか、それとも新大会を創設することで得られる莫大な収益を確保するのか。結局は、「過密日程」という建前の反対理由を盾にするUEFAにしても、後者を選択することになるだろう。拡大・成長路線を貫く近代サッカーの歩みを見れば、そこに疑問の余地はない。

 少なくとも、汚職事件によって地に堕ちたFIFAが、インファンティーノ会長の下、ファンや選手を置いてけぼりにして、新しい収入源を求めて国際大会の枠組みを書き換えようとしていることは間違いない。

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