武藤嘉紀が2カ月半ぶりの出場で猛アピール。残された時間は多くない (2ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke
  • photo by Getty Images

「(試合出場は)やっぱり楽しいですね、ほんとに。練習からずっと気合いを入れてやっていて、やっとチャンスが来た。強いて言えば、今日結果を出したかったですけど、自分が入ってから同点に追いついたので、そういう面ではポジティブに捉えてもいいのかもしれない。

 とにかく、ここからスタメンを取れるように。前線の3人(サロモン・ロンドン、ミゲル・アルミロン、アジョセ・ペレス)が非常にいいので、かなり厳しいですけど、途中出場からでもチャンスをつくりたい」

 本人が言うように、結果を残したい状況にあるが、試合に入る際は「チームの勝利」を第一に考えていたという。「チームで点を獲りにいくことを考えていました。『自分、自分』となっても、それが逆アピールになってしまえば仕方ないので。とにかく、チームが同点に追いつくことを考えてプレーしました」と、武藤は語る。

 しかし、ネットを揺らせなかったのも事実で、「結果は出ていないので、もう一度集中したい。ここから、自分の立ち位置を固めるようにならないと」と気を引き締めた。

 武藤がアジアカップで不在だった1月、チームは「堅守速攻」のプレースタイルに磨きをかけた。先発メンバーも固定され、以前に比べるとパス回しもずいぶんスムーズになった。以前なら前線に大きく蹴り出すしか策がなかったが、連係は向上し、チグハグなプレーもかなり減った。武藤もチームの成長を感じているという。

「攻撃の形? できています。ドカ蹴りではなくなってきている。ワンツーでもらったり、つなぐときはつなぐので。だから、出場時間が長ければ、自分にもチャンスは増えてくる。

 苦しいけど、ネガティブにならないことだけを考えてきた。ネガティブになって練習がおろそかになったら、それこそどんどん悪い方向にハマっていってしまう。簡単なリーグではないことはわかっていたし、とにかくポジティブにやっていきたい」

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