CLで雪辱に燃えるリバプールのクロップ。効果的ならロングボールも使う (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 リバプールはアウェーゴールの差でリードはしているものの、内容的には後半に入っても相変わらず劣勢だった。そんななかで後半23分、コーナーキックをゲットした。

 ジェイムズ・ミルナーが蹴ったボールは、大きな弧を描きながらゴール前に向かっていく。その高々としたボールに突っ込んでいったのはファン・ダイク。次の瞬間、ド迫力のヘディングシュートが、バイエルンゴールに突き刺さっていた。勝負ありの瞬間だった。

 リバプールは後半39分、マネがさらにもう1ゴール奪い、最終スコア1-3で熱戦の幕は閉じた。

 実力伯仲のこの大一番。明暗を分けた原因は、やはりバイエルンの間の悪さにあった。カウンターとコーナーキックで貴重な2ゴールを奪ったリバプールと比べると、その差は明白だった。

 毎シーズン、述べていることだが、バイエルンが恨むべきはブンデスリーガのレベルの問題だろう。CLの決勝トーナメントにならないと互角の相手と対戦することができない。その宿命が、大一番で間の悪いプレーを引き起こす最大の原因だ。

 6シーズン前、決勝を争ったドルトムントは、決勝トーナメント1回戦で、トッテナムに通算スコア0-4で完敗。マンチェスター・シティと対戦したシャルケに至っては、2-10(通算スコア)で大敗している。

 ドイツ国内で、バイエルンを追う2番手以降の力がもっと上がらない限り、その病は治りそうもない。これはパリ・サンジェルマンにも言えることだが、CLの決勝トーナメントを勝ち抜くためには、平素からそのレベルに慣れている必要がある。サッカー競技のマックス値は、このCLの舞台で毎年、更新されていると思うと、なおさらだ。

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