CLで雪辱に燃えるリバプールのクロップ。効果的ならロングボールも使う (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Getty Images

 背後にその気配を感じたマネは、左に行くと見せかけて右にターンする。するとノイアーはバランスを崩し、周囲のディフェンダーも逆を取られノーマークに。リバプールは貴重なアウェーゴールをものにした。

 間の悪いプレーとはこのことだ。瞬間、頭をよぎったのは、バイエルンのCLにおけるここ数年の戦いだ。

 ドルトムントとの同国対決を制した2012-13シーズン以降も、バイエルンはコンスタントに上位進出を果たしている。ベスト8に1度、ベスト4には4度も進出している。UEFAクラブランキングでは、レアル・マドリード、バルセロナに次いで3位。まさに欧州を代表する強豪ながら、肝心な大一番で何かしらポカをやらかす。レアル・マドリード、バルセロナ、アトレティコ・マドリード相手に、押し気味に試合を進めながら、ミスを犯して敗れるという間の悪い戦いを、ここ数年間、繰り返してきた。

 たしかにファン・ダイクのキックは鋭かった。マネの動きもスピーディだった。しかし、ベテランGKがそれにつられるように飛び出してしまっては、紙一重の戦いを制することはできない。

 勝利のためには2点が必要になったバイエルンは、すかさず反撃に転じた。そして39分、右ウイング、セルジュ・ニャブリが折り返すと、リバプールDFジョエル・マティプのオウンゴールを誘った。

 通算スコア1-1。試合は最高潮に達した。バイエルンは後半16分にも大きなチャンスをつかんだ。フランク・リベリーの縦パスを受けたニャブリが再び、中央に折り返す。このボールはしかし、レバンドフスキの足のわずかに先を通過した。

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