ロナウドが「CL4連覇」へ前進。メッシとの対決は実現するか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTORAFIA

 その昔、強かった頃のイタリアサッカーがこれだった。後先を考えず、とにかく立ち上がりから飛ばす。相手をのけぞらせ、混乱に陥れる。そして1点を奪い逃げ切る。これを必勝パターンとした。

 開始3分、ユベントスはCKからジョルジョ・キエッリーニが押し込み、ゴールかと思われたが、ロナウドが相手GKヤン・オブラクのセーブを妨害し、キーパーチャージの判定でノーゴールに。しかし、このプレーでチームとサポーターは勢いづいた。ユベントスは堅守のアトレティコを追い込んだ。

 並のチームならここまでで精一杯だっただろう。次第にペースは、試合巧者のアトレティコに移っていくものだが、この日のユベントスは違った。ロナウドという大黒柱の存在が光った。27分、フェデリコ・ベルナルデスキから送られた左からのクロスボールに、ロナウドは高々としたジャンプでガツンと合わせ、先制点をもぎ取った。

 リオネル・メッシと並び過去に5度、バロンドールを受賞しているロナウド。その最大の魅力をひとつ挙げよと言われれば、身体の強さになる。背中に鋼鉄の板を内蔵しているかのように、カチッと強靱だ。その威力は、多くの選手が密集するゴール前での競り合いに発揮される。体勢はちょっとやそっとでは崩れない。そこにロナウドの真髄がある。

 しかも187cmの長身だ。強さは空中戦に現れる。この先制ゴールも、その時、アトレティコのフアンフランが必死に食らいついていた。対応に間違いはなかった。だが、ロナウドはその上を行くヘッドを見せたのだ。ド迫力の一撃だった。

 後半開始早々の2分、ロナウドの頭はユベントスに追加点ももたらした。今度はポルトガル代表SBのフアン・カンセロが右から蹴り込んだクロスボールで、この時もロナウドは鋼のような強さをゴール前で見せつけた。

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