香川真司、照準をコパ・アメリカに。「もう一度、日本代表に定着を」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 香川の場合、ジョーカー的な役割を果たすことには成功している。ゴール前での思い切りや判断、感覚を取り戻すという意味では、悪くない立場のように見える。途中出場ならではの難しさにも慣れていっているようだ。ただ、90分間試合をする体力や感覚を取り戻すためには、やはり先発の座を奪わなくてはいけない。

 先発したフェネルバフチェ戦の試合後、シェノル・ギュネシュ監督は後半の香川の働きについては不満な様子で、運動量が落ちたことを指摘していた。その後、香川は負傷で1試合欠場し、このコンヤスポル戦を迎えたというわけだ。

「90分間出場を続けることが目標」と、香川は言う。

 これは、久々に香川から聞く言葉だった。ドルトムントで途中出場が続いたり、出場機会を失った時には聞かれなくなっていたコメントだ。今は手応えを感じているのだろう。それだけに、トルコにいるうちに90分間プレーする感覚を取り戻したいはずだ。リーグ戦は残り9試合。先発に定着できていないが、幸いなことに、香川が出場した試合は4勝1分けと負けがない。

 香川は、3月14に行なわれる日本代表のメンバー発表をとても楽しみにしているという。

「非常に楽しみです。もちろんまだメンバーはわからないし、監督ともコミュニケーションを直接取っているわけではない。それは監督が決めることですが、僕は呼ばれた時の準備はもうしっかりとできています」

 照準を合わせているのは5月と6月だと言う。

「代表に返り咲き、もう一度定着することを目標にしている」

 そうはっきりと口にできるまで、香川は復調している。

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