CL番長3人も震えた、リバプール対バイエルン「決死の守備バトル」

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倉敷 バイエルンがこれだけディフェンシブに戦う試合は国内リーガではまずありません。普段なかなか見られない部分の実力が発揮されましたね。ここまで選手たちを一丸にしたものは、ニコ・コヴァチ監督の手腕というよりもクラブの首脳陣が作り出した雰囲気ではないか、という気がします。これも普段は隠されているクラブの力と言えそうです。

中山 あのハメスが下がって必死に守備をしていましたね。

倉敷 過去にマンチェスター・ユナイテッドがアシュリー・ヤングのマンマークによってモハメド・サラーを完封したことがありましたが、今回のダヴィド・アラバはハメスやハビの持つ経験値を活かしながら、うまく連係してサラーを抑え込みました。

中山 どちらのチームも4-3-3と4-2-3-1を使い分けられるチーム同士の対戦となったなか、リバプールのユルゲン・クロップ監督はホームで先勝するために4-3-3を選択しました。逆にバイエルンは攻撃的に戦ったら勝算がないと見て、まずはしっかり守備をして打ち合いを避け、プランを遂行することができました。サラー封じは、そのなかでもいちばんのポイントだったと思います。

倉敷 バイエルンが守備に特化したことでお互いに決定機は少なかったですね。バイエルンのシュートは9本ありましたが、枠内シュートはたったの1本。後半に至ってはゼロで終わりました。ブンデスリーガではまず起こりえない数字です。

小澤 スタッツで言うと、チーム全体の走行距離でも110.928km対111.774kmと、リバプールよりもバイエルンのほうが上回っています。この数字はこの試合におけるバイエルンの選手たちのハードワークぶりを示しているわけですが、実は今シーズンのバイエルンはシーズンアベレージの走行距離も112.120kmとリバプールの110.201kmを上回っていて、かなり高い数字を示しています。これは、今シーズンから監督が替わったことと、とくにウイングの選手が若返っていることが影響していると思います。

倉敷 リバプールのスピードに対抗するために、バイエルンも必要なスピードと運動量を準備できていた、ということですね。

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