空中分解寸前にあるレアルの諸問題。「くそったれのシーズン」 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 チームは公式戦496分無得点というクラブの無得点記録を更新。バルセロナに大敗したことで監督フレン・ロペテギを更迭する。

 後を継いだサンティアゴ・ソラーリは、就任直後こそ勝利を重ねていたが、CLグループリーグのCSKAモスクワ戦でまさかの無得点敗戦。このアルゼンチン人監督は、得点力不足を解決できないだけでなく、イスコやマルセロといった昨シーズンまでのチームの主力を先発から外したことから、メディアを騒がせた。ロッカールームをうまくまとめ切れていないという批判は高まる一方で、主力に多くの負傷者が出たことも追い討ちをかけた。

 多くの問題を抱えていたソラーリのチームだが、何よりも不安定な戦いをしていたことが大きく、その不安定さは、シーズンのもっとも重要な時期に顔を出した。

 リーガが再開した1月、首位バルセロナとの勝ち点差を縮めるチャンスがあったにもかかわらず、失敗。2月に入ると調子を取り戻し、シーズン終盤に向けて期待を抱かせたが、バルセロナとの2連戦、そしてCLアヤックス戦と続く大一番を前に、ホームでジローナに敗れてしまう。ここからアヤックス戦まで、サンティアゴ・ベルナベウでまさかのホーム4連敗という不名誉な結果を残すことになった。

 シーズン終了まで3カ月を残し、無冠で終わるチームにとって必要なのは冷静さだが、アヤックス戦敗退後も騒動は続いている。

 フロレンティーノ・ペレス会長とセルヒオ・ラモスが試合後のロッカールームで口論したことが明らかにされた7日、チームの首脳陣が集まり、ソラーリ監督の更迭を話し合った。

 チームはジダンの復帰を望んだものの、フランス人監督が要請を受け入れなかったことから結論は出ず、3月10日のバジャドリード戦終了まではソラーリが監督を務め、11日の月曜日に新たな監督が発表されるということになった。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る